【線維筋痛症の歴史】
欧米では百年以上も前から知られていた病気なのです。診断方法ができたのは最近で、一九九〇年にアメリカリウマチ学会が分類基準を作成しています。欧米のリウマチ科ではよくある病気と考えられており、臨床教育では、プログラムのなかには線維筋痛症(fibromyalgia)があります。欧米では、生活機能障害などの保険が適用されるそうです。
アメリカでは女性で三.四%、男性は○.五%、人口の二%、リウマチ科に通う患者のうち一五%がこの病気であるという統計があります。日本では二〇〇七年現在のところ厚生労働省の調査から、有病率は人口の約一.七%、患者数は二百万人程度と推定されています。全体の七五%以上が女性で特に二〇-六〇歳中高年の発生率が高いと言われています。患者の内約五%が小児との調査結果もあります。
日本では一般医の二五〜三十%しかこの病名を知らず、患者の九割以上が病名すら知らないとの調査もあります。医師の間でもこの病気の知名度が低いことから、患者がこの線維筋痛症という病名を教えてくれる医者に会うまでに平均六〜八軒の病院を回ってしまう(ドクターショッピング)と言われている行動をとることが多いのです。
二〇〇三年、厚生労働省が『線維筋痛症研究班』を発足させています。二〇〇八年から「一般社団法人日本線維筋痛症学会独立研究班として継続」となりました。
現在製薬会社及び医療関係では、線維筋痛症候群の世界的な市場性は四〇〇億円以上と見ており、治療法が確立することで一〇年以内に二〇〇〇億円の利益があると見込んでいるようです。
各国医療機関及び製薬会社はニューロン単独抑制から、過剰にニューロンを興奮させる『グリア細胞』抑制へとターゲットを変えつつあるとして知られています。
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