書籍・線維筋痛症は改善する
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【線維筋痛症の症状】 線維筋痛症の場合には、全身的慢性疼痛疾患であり、広範囲に痛みがあり、またある部分だけが痛むことがあります。その痛みは軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いようです。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあります。痛みが強いと日常生活に支障をきたすことが多く、重症化すると、軽微の刺激(爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音など)で激痛がはしり、自力での生活は困難になります。 随伴症状として、こわばり感、倦怠感、疲労感、睡眠障害、抑うつ、自律神経失調、頭痛、過敏性腸炎、微熱、ドライアイ、記憶障害、集中力欠如、レストレスレッグス症候群などが伴う事もあり、症状は個人差があります。中には、リウマチや他の膠原病を併発する人もいます。痛みによって不眠となりストレスが溜まり、それがまた痛みを増強させる場合もあると考えられています。死に至る病ではないのです。しかし、自殺を考えている方が想像以上に多いことも事実なのですが、見過ごされがちのようにも私は感じています。私のところへお越しになった方で、自殺を何度も考えたと言う方が多いのには驚かされます。 男性よりも女性に多く、中高年の方に多い病気なのです。そのため自律神経失調症や更年期障害、不定愁訴など他の病気と診断されることも少なくないのです。現在人口の一.七%、約二百万人程度の患者がいるのではないかと疫学的には発表されております。 痛みの種類は、普通の人が日常経験する痛みとは異なり「電気が走るような痛み」「ガラスの破片が流れるような痛み」などという表現で患者に形容される場合もあります。症状には個人差があり、軽度なら仕事を続けられる場合もありますが、重度の場合には日常生活に支障をきたし自力で生活できない場合もあります。症状が重くなると髪やつめに触っただけで痛みが走り、意識がもうろうとなり寝たきりになったり、通常の日常生活(食事・買い物・入浴・着替え・歩行・寝返り等)すら困難になる場合なども見受けられます。 多くの患者に筋力の低下、運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、関節痛、重度の場合などでは立ち上がれない、起き上がれない、以前歩けた距離が歩けなくなるなどの症状が見られることがあり、そのため多発性筋炎と診断される事もあります。 付随する症状として、こわばりや全身倦怠感と疲労感、頭痛、微熱、睡眠障害、抑うつ、歯の痛みや歯茎、筋力の低下、眼の奥の痛み、過敏性腸症候群などがあります。ドライアイの報告などもあり、この場合には、自己免疫性疾患シェーグレン症候群合併皮膚筋炎への移行を警戒する必要があります。 しばしば膠原病(リウマチ・エリテマトーデスなど)、甲状腺機能低下症(橋本病)、潰瘍性大腸炎、血清反応陰性脊椎関節炎等の免疫疾患を併発する事もあります。特に最近血清反応陰性脊椎関節炎の患者が合併症として線維筋痛症を罹患している頻度が高いことが知られ始めており、脊椎関節炎における多発性付着部炎の箇所と線維筋痛症の圧痛点の多くが一致するとも言われています。関節リウマチ患者との合併率は十五.八%程度あるとして知られています。 この病が直接の原因となり死に至ることは無いと言われていますが、その全身の痛みは凄まじいものであり、痛みの苦痛等が間接的に患者を死に追いやることはあり得るのです。二〇〇七年二月二日に四十三歳で亡くなった日本テレビの元アナウンサー:大杉君枝さんは、この病を苦に自殺したと報道されています。この病は患者のストレスや精神状態が症状に与える影響が大きく、神経や精神状態の改善が症状を改善させるという臨床例が多く認められています。この病は原因が不明であり、患者の痛みの理由が周囲に分かりにくいことから、しばしば怠け病や詐病と周囲に誤解されやすいところが、患者のストレスを更に増加させるものと考えられます。うつ病に対する場合と同様、周囲のこの病に対する理解が必要であることが分かります。 発症してからの初期(一〜三年)段階では、適切な治療を受ければ社会復帰も可能であり、自然治癒する可能性があるとされています。しかし検査で異常がないため、長年病院を転々とするケースも多く、医師との信頼関係が築けずに心的外傷を起こし、それが引き金となって病状が悪化してしまう場合が多いのです。発症から時間が経過する程治りにくいと言われています。仮面うつ病、更年期障害、自律神経失調症と誤診される場合も多いのです。 特定疾患で難病認定されている多発性硬化症との併発事例も報告されており、更なる治療方法の開拓が望まれています。同様の病に慢性疲労症候群があります(但し慢性疲労症候群は痛みではなく疲労を伴う病であるとされています)。線維筋痛症を発症した後に合併する例も多いのです。症状に共通する部分があるため、線維筋痛症と同じ病気とみなす医師もいます。以下慢性疲労症候群より抜粋させてもらうことにします。 一・疲労 - 激しい疲労であり、身体的・精神的両方に現れる場合があります。運動・精神活動後によって疲労は強くなり、休息や睡眠によってなかなか回復しない事が多いのです。疲労の程度は、何とか働ける程度から、寝返りもうてないほどの重症患者も現実には存在します。 二・痛み - 筋肉痛や関節痛(発赤や腫れがなく、移動性)・頭痛・リンパ節の痛み・喉の腫れ・腹痛・顎関節症候群・顔面筋疼痛症候群などがあります。 三・知的活動障害 - 健忘・混乱・思考力の低下・記憶力の低下・理解力の低下などがあります。 四・過敏性 - 羞明・音への過敏・化学物質や食べ物への過敏。アレルギー症状の悪化などがあります。 五・体温調節失調 - 悪寒や逆に暑く感じることがあります・微熱などがあります。 六・睡眠障害 - 睡眠により疲れがとれない・不眠・過眠・はっきりした夢を見やすいなどがあります。 七・精神障害 - 感情が変わりやすい・不安・抑鬱・興奮・錯乱・ミオクローヌス(レストレスレッグ症候群)などがあります。 八・中枢神経障害 - アルコール不耐性・筋肉の痙攣・筋力低下・振戦・耳鳴り・視力の変化などがあります。 九 ・全身症状 - 口内炎・朝のこわばり・頻尿・体重の変化・動悸・甲状腺の炎症・寝汗・息切れ・低血糖の発作・不整脈・過敏性腸症候群・月経前症候群・発疹などがあります。 ただ、私が天啓気功療法を実施しいて感じることは、確かに線維筋痛症の場合には痛みに悩まされますが、原因が分からないため救われていることも事実としてあります。それは、例えば腰痛などの場合、原因がはっきりしていることが十五%程度あり、その他の八十五%程度は原因が分からないとされています。その原因が分かっている方の場合には、手術が施されることがあります。手術をした後では、痛みがあるとして天啓気功療法を実施しても全快することはなく、苦慮しています。このことを考えると、どちらが良いとは言えませんが、考え方によっては、良かったと言っても良いように感じます。
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