線維筋痛症の症状の場合、完治改善が難しいと医療者を始め多くの方々が信じています。しかし、私が天啓より授かった能力によって確かに線維筋痛娼の症状の完治改善が実現しています。

線維筋痛症について、フリー百科事典『ウィキペディア』では、下記の通り記載されています。

線維筋痛症について

線維筋痛症(せんいきんつうしょう)は、全身に激しい痛みが生じる病気である。英語ではFibromyalgiaもしくは Fibromyalgia Syndromeと呼ばれている。略語はFMS(FibroMyalgia Syndrome)が使われることが多い。原因は不明であり、通常の医師が行なう血液検査では異常が現れない。CTスキャン、MRIを検査しても異常がなく、この病気が診断できる特別な検査は今の所なく、治療法も確立されていない。ドクターショッピングを行う疾患の代表。男性より女性が7倍と多く、中高年に発生率が高いと言われている。しばしば膠原病などの自己免疫疾患と併発する。

線維筋痛症の概要

全身の耐え難い恒常的な(慢性的、持続的に休みなく続く)疼痛を主な症状として、不眠、全身の疲労感や種々の症状をともなう疾患である。症状が進行すると常時激しい全身の疼痛に苦しみ、僅かな刺激(爪や髪への刺激、服のこすれ、音、温度・湿度の変化など)で激痛がはしり日常生活が著しく困難になる。

首から肩にかけての痛みやしびれ、上肢の痛みやしびれ、腰背部の疼痛やこわばり感、臀部から太ももの痛みと張り感、膝から下腿の痛みやしびれ、眼の奥の痛み、口腔の痛み、頭痛などの様々な疼痛症状が起こる。これらは対称性にでるとは限らず、全身に散在して出現することもある。

それに伴う症状として、こわばり、不眠、疲労感、全身の倦怠感、だるさ、頻尿、下痢、月経困難、生理不順、過敏性腸炎、リンパ節の腫れと痛み、微熱、ドライアイ、筋力の低下、運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、むずむず脚症候群、起き上がれない、歩けなくなるなどの身体症状、悪夢、焦燥感、不安感、憂鬱感、理解力・思考力の低下、集中力欠如、などの精神的症状、あるいは、全身のこわばり感、冷感、四肢のだるさ、頤神経麻痺、関節痛、レイノー現象、日光過敏症、脱毛、シェーグレン症候群、自覚的な関節の腫れなどの、膠原病の症状を訴える患者もいる。

精神的および身体的ストレス、気候、環境によって疼痛箇所が移動したり、疼痛レベルが変化することもある。原因が不明で患者に外傷がないため、痛みが理解されず、しばしば怠け病や詐病と周囲に誤解される。患者は盥回しにされ仮面うつ病、更年期障害、自律神経失調症と誤診される場合も多い。痛みのため寝たきりになり、働くことができず、失職したり、経済的に困窮して日常生活が送れなくなる患者も少なくない。

日本では人口の約1.7%、200万人以上と非常に多くの潜在患者が存在するにもかかわらず、的確な診断や治療が困難であるのが実状である。

「死に至る病ではないが、死んだ方がマシな程の痛み」と表現されるように、患者には早急に社会的理解と介護及び支援が必要であるが、要介護認定で該当判定されることは稀で、難病(特定疾患)未認定及び保険適用外である。しかし欧米では早くから保険適用と認められ、ごく一般的な疾患である。

現在厚生労働省が線維筋痛症研究班を立ち上げて調査を行っている。2008年現在厚生省の方針(予算の都合)、学会での論争などにより調査継続の見通しは立っていない。

線維筋痛症の歴史

欧米では100年以上も前から知られていた病である。診断方法ができたのは最近で、1990年にアメリカリウマチ学会が分類基準を作成している。欧米のリウマチ科ではよくある病気と考えられており、臨床教育ではプログラムのなかには線維筋痛症(fibromyalgia)がある。欧米では生活機能障害などの保険が適用される。
 アメリカでは女性で3.4%、男性は0.5%、人口の2%、リウマチ科に通う患者のうち15%がこの病気であるという統計がある。日本では2007年現在のところ厚生労働省の調査から、有病率は人口の約1.7%、患者数は200万人程度と推定されている。全体の75%以上が女性で特に20-60歳中高年の発生率が高いと言われている。患者の内約5%が小児との調査結果もある。
 日本では一般医の25〜30%しかこの病名を知らず、患者の9割以上が病名すら知らないとの調査もある。医師の間でもこの病気の知名度が低いことから、患者がこの線維筋痛症という病名を教えてくれる医者に会うまでに平均6〜8軒の病院を回ってしまう(ドクターショッピング)と言われる。
 2002年、線維筋痛症友の会(Japan Fibromyalgia Support Association)が患者により設立される。
 2003年、厚生労働省が『線維筋痛症研究班』を発足させる。2008年から独立研究班として継続中。
 2008年、現在製薬会社及び医療関係では、線維筋痛症候群の世界的な市場性は400億円以上と見られており、治療法が確立することで10年以内に2000億の利益があると見込まれている。
 2010年、各国医療機関及び製薬会社はニューロン単独抑制から、過剰にニューロンを興奮させる『グリア細胞』抑制へとターゲットを変えつつある。

線維筋痛症の症状

全身に激しい痛みが生じる。

痛みの種類は普通の人が日常経験する痛みと異なり、「電気が走るような痛み」[要出典]や「ガラスの破片が流れるような痛み」(「闘病記・手記>40歳女性の場合」線維筋痛症友の会)などという表現で患者に形容される。症状には個人差があり、軽度なら仕事を続けられる場合もあるが、重度の場合は日常生活に支障をきたし自力で生活できない場合がある。症状が重くなると髪やつめに触っただけで痛みが走り、意識がもうろうとなり寝たきりになる。通常の日常生活(食事・買い物・入浴・着替え・歩行・寝返り等)すら困難になる。多くの患者に筋力の低下、運動能力の低下、筋肉の激しい疲労、関節痛、重度では立ち上がれない、起き上がれない、以前歩けた距離が歩けなくなるなどの症状が見られる。そのため多発性筋炎と診断される事もある。

付随する症状として、こわばりや全身倦怠感と疲労感、頭痛、微熱、睡眠障害、抑うつ、歯の痛みや歯茎、筋力の低下、眼の奥の痛み、過敏性腸症候群などがある。ドライアイの報告もありこの場合は自己免疫性疾患シェーグレン症候群合併皮膚筋炎への移行を警戒する必要がある。しばしば膠原病(リウマチ・エリテマトーデス・MCTDなど)、甲状腺機能低下症(橋本病)、潰瘍性大腸炎、血清反応陰性脊椎関節炎等の免疫疾患を併発する事もある。特に最近血清反応陰性脊椎関節炎の患者が合併症として線維筋痛症を罹患している頻度が高いことが知られ始めており、脊椎関節炎における多発性付着部炎の箇所と線維筋痛症の圧痛点の多くが一致するとも言われている。関節リウマチ患者との合併率は15.8%である。

この病が直接の原因となり死に至ることは無いと言われているが、その全身の痛みは凄まじいもので、痛みの苦痛等が間接的に患者を死に追いやることはありえる。2007年2月2日に43歳で亡くなった日本テレビの元アナウンサー:大杉君枝はこの病を苦に自殺したと報道されている[1]。後述のとおり、この病は患者のストレスや精神状態が症状に与える影響が大きく、神経や精神状態の改善が症状を改善させるという臨床例が多く認められている。この病は原因が不明で、患者の痛みの理由が周囲にわかりにくいことから、しばしば怠け病や詐病と周囲に誤解されやすいところが、患者のストレスを更に増加させるものと考えられる。うつ病に対する場合と同様、周囲のこの病に対する理解が必要である。

発症してから初期(1〜3年)は適切な治療を受ければ社会復帰も可能であり自然治癒する可能性がある。しかし検査で異常がないため、長年病院を転々とするケースも多く、医師との信頼関係が築けずにPTSD(心的外傷)を起こし、それが引き金となって病状が悪化してしまう場合が多い。発症から時間が経過する程治りにくいと言われている。仮面うつ病、更年期障害、自律神経失調症と誤診される場合も多い。

特定疾患で難病認定されている多発性硬化症との併発事例も報告されており、更なる治療方法の開拓が望まれている。同様の病に慢性疲労症候群(CFS)がある(但しCFSは痛みではなく疲労を伴う病である)。線維筋痛症を発症した後に合併する例も多い。症状に共通する部分があるため線維筋痛症と同じ病気とみなす医師もいる。以下慢性疲労症候群より抜粋させてもらう。

1・疲労 - 激しい疲労であり、身体的・精神的両方である。運動・精神活動後によって疲労は強くなり、休息や睡眠によってなかなか回復しない。疲労の程度は、何とか働ける程度から、寝返りもうてないほど重症患者もいる。
 2・痛み - 筋肉痛や関節痛(発赤や腫れがなく、移動性)・頭痛・リンパ節の痛み・喉の腫れ・腹痛・顎関節症候群・顔面筋疼痛症候群
 3・知的活動障害 - 健忘・混乱・思考力の低下・記憶力の低下・理解力の低下
 4・過敏性 - 羞明・音への過敏・化学物質や食べ物への過敏。アレルギー症状の悪化。
 5・体温調節失調 - 悪寒や逆に暑く感じることがある・微熱・睡眠障害 - 睡眠により疲れがとれない・不眠・過眠・はっきりした夢を見やすい。
 6・精神障害 - 感情が変わりやすい・不安・抑鬱・興奮・錯乱・ミオクローヌス(レストレスレッグ症候群)
 7・中枢神経障害 - アルコール不耐性・筋肉の痙攣・筋力低下・振戦・耳鳴り・視力の変化 ・全身症状 - 口内炎・朝のこわばり・頻尿・体重の変化・動悸・甲状腺の炎症・寝汗・息切れ・低血糖の発作・不整脈・過敏性腸症候群・月経前症候群・発疹

線維筋痛症の診断

2007年現在明確な診断基準はなく、現段階では1990年にアメリカリウマチ学会が作成した分類基準を用いて診断している。広範囲に及ぶ痛みが3ヶ月以上続いていて、全身にある18箇所の圧痛点(ツボのようなもの)を4kgfの力で押したときに11箇所以上痛い事で線維筋痛症と診断される。11箇所以上でなくても専門医の判断で線維筋痛症と診断されることもある。ただし、症状が他の病気によるものでないことが条件になる。

日本の患者の症状にアメリカと異なる点があるため、現在日本の分類基準が見直しが求められている。通常の採血検査、レントゲン写真、CRPという炎症反応、筋電図、筋肉の酵素、CTスキャン、MRIを検査しても異常がなく線維筋痛症と診断できる検査は今の所ない。時に血液検査で抗核抗体の弱陽性あるいは補体値の低下など免疫学的な軽度の異常がみられる。軽症の膠原病や,膠原病の予備群,自己免疫疾患初期の場合があるので確実な血液検査と筋生検を行う。筋生検による筋炎(皮膚筋炎等)・血管炎・神経炎の除外は必要である。

線維筋痛症の原因

現在のところ線維筋痛症の原因は不明である。

事故、外科手術、自己免疫疾患、歯科矯正治療、肉体的又は精神的ストレス、PTSD、妊娠・出産、ウイルス感染、化学物質過敏症、子宮内膜症、風邪、など多様な「痛み」がきっかけ(原因ではなく要因)で発症しているのではないかと言われる。アメリカでは中枢神経系及び末梢神経系の機能異常ではないかと考えられている。

中枢神経の異常によって痛みの回路が変わり痛みを増幅させている。脊髄内の末梢からの痛みの伝達を抑制する仕組みがストレス等により機能低下するとの説。強い痛みが続くと、中枢神経細胞内に遺伝子が発現し、タンパクが生成されることが実験で証明されている。脳の神経細胞(ニューロン)が電気信号を使って情報伝達する時に何らかの異常が起こる。神経細胞の遺伝子が変異して書き換えられるという説もある。

細胞の器質的(眼に見える病変)問題でなく、機能的(細胞の働きや活動に異常)問題であるとの説。遺伝的な要因やなんらかの免疫異常がかかわっているとも言われている。自己免疫疾患から発する場合も単一抗体は確定していない。交感神経のバランスが崩れ過緊張を起こし、血管の収縮で虚血状態となった筋肉が酸欠状態となることで激しい痛みが発生する緊張性筋炎症候群が併発している場合もあると考えられる。

2010年現在器質的な原因として『グリア細胞』が有力視されている。ニューロン(痛みを感知するニューロン)を過敏にしているのは、グリア細胞と呼ばれる脊髄や脳にある別の細胞の働きによる事が分かってきている。グリア細胞は脳へ疼痛シグナルを送るDRGと脊椎ニューロンを敏感にする様々な分子を放出している。グリア細胞の異常な活発化はニューロンを監視し栄養を与え、活動を促進させ、発火させる重要な役割を担っており、同時に神経の異常な過敏状態を長引かせ悪循環を起こす原因となっている。

線維筋痛症の治療

現在、日本の上場バイオベンチャーであるそーせいにより線維筋痛症候群の経口治療薬開発品AD337が開発中である。2008年後期第U相臨床試験へ移行。順調に進んでいる。337の後続開発品としてSD726は、非臨床試験を終了し臨床試験へ移行できる状況でSD726は古典的医薬品化学の方法で337と異なる薬理学的特性を有する化合物として探索され、非臨床試験において線維筋痛症候群ならびに神経因性疼痛への適応の可能性が示唆されている。2008年欧州において特許が成立している。

非ステロイド性消炎鎮痛剤 (NSAIDs) が処方されることが多い。ただしこれまで安定した効果を持つ特効鎮痛剤は見つかっておらず、NSAIDsにて治癒軽快した例はきわめて少ない。抗不安薬(フェノチアジン系、ブチロフェノン系、ベンズアミド系、ベンゾジアゼピン系)や三環系抗うつ薬アミトリプチリンなどが古くから有効とされている。デパス・コンスタンなど補助的に使う場合が多い。SSRI・SNRI(フルボキサミン、パロキセチン、ミルナシプラン、ヴェンラファキシンなど)による治療の報告も増えている。

神経や精神状態の改善が症状を改善させるという臨床例が多く認められている。ノイロトロピンという特殊な作用機序を持つ下行性疼痛抑制系賦活型疼痛治療剤が長期間慢性的につづく疼痛に対しては有効とされている。ノイロトロピンを定期的に静脈注射するなどの療法も行われているが、線維筋痛症の痛みは個々人によって症状が異なるため、線維筋痛症に詳しく、これらの薬剤に熟知した専門医による処方が望まれる。

2007年米食品医薬品局(FDA)は米国ファイザー社リリカ(一般名:プレガバリン, Pregabalin)を初の線維筋痛症治療薬として承認した。プレガバリンは過剰興奮したニューロンを沈静化させる作用があるとされる。日本では糖尿病性末梢神経障害や帯状疱疹後神経痛,抗てんかん薬の三項目で承認される一方、線維筋痛症の病名では処方できない、個人輸入に頼らざるを得ない上、ジェネリック未発売のため薬価が高すぎるなどの問題がある。副作用は眠気、しびれ、目まい、浮腫、および無力症など。

2008年ジェネリック発売。プレガバリンと作用が似ているガバペンチンもしばしば用いられる。救急の場合医師の厳重な監督の下、モルヒネやソセゴンの投与を行う事も稀に有る。

2007年12月31日、Forest Laboratories社とCypress Bioscience社は、線維筋痛症治療薬として開発しているデュアル(ノルアドレナリン/セロトニン)再取り込み阻害剤・ミルナシプラン(milnacipran)をアメリカFDAに承認申請したと発表した。

2008年3月10日、神経・線維性疾患の治療薬を開発しているPipex Pharmaceuticals社は、リウマチ様の痛み疾患・線維筋痛症を対象にした経口flupirtineのプラセボ対照二重盲検第2相試験のIND申請がアメリカFDAに受理されたと発表した。

また薬物による治療だけでなく、認知療法、カイロプラクティックや鍼灸、腹式呼吸などの呼吸法や瞑想、ウォーキクング・ヨガやストレッチ・エアロビクス・水泳などの軽い運動、健康的な睡眠の確保といった、ストレスを緩和させる手法も有効ではないかと考えられている。ただし本人が望まないのに無理やり運動させると悪化したり、中〜重症患者には本人の希望する軽いストレッチなど以外は、激しい運動は逆効果ではないかとの声もある。

肉体的精神的ストレス、環境の急激な変化、人間関係のストレス、激しい労度など、病状を悪化させる可能性のあるものは極力避けた方がよい。続発性線維筋痛症は先行する原疾患のコントロール及び、他種の自己免疫性疾患の治療と同様の治療方法が望まれる。ただし自己免疫性疾患が治癒又は寛解しても痛みが継続する場合もあり、必ずしも原疾患が原因とは限らない。(例えば事故の外傷が完治したり、膠原病の数値が安定しても、痛みが継続する場合がしばしばある。ただしきっかけとなった病気を治すことで痛みが弱まる可能性は高い)リウマチ科、心療内科あるいは神経の問題からも神経内科と精神科と連携して治療することが必要である。

2010年これまでの慢性疼痛治療はニューロンの活動のみを抑制させる事に集中してきたが(プレガバリンなど)、グリア細胞が炎症性サイトカインや因子をおこして神経細胞を刺激し興奮させ続ける限り、ニューロンの活動を抑えられない事が判明している。神経性疼痛障害はグリア細胞へのブレーキが不可欠である。またモルヒネやヘロインなどの医療用麻薬製剤の耐性獲得にグリア細胞が関与しており、グリアを抑制することで併用する鎮痛剤の効果を飛躍的にアップさせる事ができる。

現在慢性疼痛の分野ではグリアそのものを沈静化する方法、グリア細胞が出す炎症の引き金となる分子やシグナルをブロックする方法、炎症を抑える信号を送る方法などが模索されている。下記はグリア細胞にアプローチした生物学的製剤→AV411=アストロサイトの活動を阻害・エタネルセプト=商品名エンブレル抗炎症信号の伝達によりグリアを沈静化・アナキンラ・ペントキシフィリン・インターロイキン(サイトカイン)=抗炎症信号の伝達によりグリアを沈静化・JWH-015=痛みを和らげるCB2カンナビノイド受容体を活性化・メチオニンスルホキシミン=アストロサイト(神経損傷後にできる大きなグリア細胞)の神経伝達物質分泌阻害・ミノサイクリン=ミクログリアの活性化阻害・プロペントフィリン=アストロサイトの活動阻害・サティベックス=カンナビノイド受容体を活性化・SLC022=アストロサイトの活動阻害。

※生物学的製剤とは、最新のバイオテクノロジー技術を駆使して開発された新しい薬で、生物が産生した蛋白質を利用して作られる。特に関節リウマチの炎症や痛み・腫れ、骨や軟骨などの関節破壊を引き起こす原因となる物質を抑えることにより、その効果を発揮するとされ、日本でも既に膠原病の分野で認可されているものもある。しかし日本ではFMSなどの中枢性感作症候群(痛みが増幅する症候群)に上記の生物学的製剤と医療用麻薬製剤その他の鎮痛剤、抗うつ剤などと組み合わせて処方される事はない。欧米では既に生物学的製剤と医療用麻薬製剤を組み合わせた治験は済んでおり、その飛躍的な鎮痛効果により様々な成果を挙げている。

線維筋痛症の問題点

原因が不明であり治療法が確立されていない。

既に欧米諸国では病院と製薬会社の連携の下に原因の解明と治療薬の開発が進められているが日本では病名も知られていないのが実状である。日本の学会においては分類法が未だ論争中であるため病名の認知が遅れている。又どの科が受け入れるかも決まっていない。医者の間で線維筋痛症の知名度が低いことから、患者が線維筋痛症という病名を教えてくれる医者に会い、適切な治療を受けるまでに長期間を経てしまう。その間に病状が悪化したり、検査料、投薬料、入院料などの医療費がかさんでしまう。

仮病や心気症的な振る舞い(注意をひいている)とされ精神科にまわされることが多く、診察を拒否する医師さえいるので、患者は診断を受けるために長期の時間苦しむことになり、病気を難治化・長期化してしまっている(慢性疲労症候群より一部引用) 線維筋痛症は日本において社会保険診療報酬制度に入っていないため、保険適用外となっている。医者が随伴症状で保険を適用させているのが現状である。

厚生労働省において「線維筋痛症特別研究班」が設置されており、現在全国の患者数の調査を進めている。欧米諸国やアジア先進諸国では生活機能障害等の援助が実施されているにもかかわらず、日本での行政対応は遅れている。社会的認知度が低く、痛みを客観視する方法がなく、検査しても異常がないことから多くの患者は「詐病」「怠け病」とみなされ精神的苦痛が大きい。

重度の患者は寝たきりとなるため、働けず収入を得られず経済的に困窮する。多くの患者のQOL(生活の質)やADL(日常生活活動)が著しく下がる。一説では患者のQOLはRA(リウマチ)より低い。この病気が、就職、勉学、結婚、妊娠、出産、家庭、友人関係、などの大きな障害となっている。慢性疲労症候群では日本国内においての経済的損失は、年間約1.2兆円と想定されているが、それを参考とした場合線維筋痛症患者における経済的損失は、年間約12兆円となる(単純計算による)

身体障害者福祉法、障害者自立支援法による介護や援助を得られない。

線維筋痛症は女性の罹患率が多く、女性にとって結婚、妊娠、出産、家庭においてこの病気が障害となるのは明らかであり、少子化の一因となっている可能性がある。最近では小児の患者も見つかっており、小児科医の認知が必要である。不登校の一因にもなっていると推測される。

これまで、患者が痛みを訴えてもそれを具体的に伝えることは困難だったが、2007年に株式会社ニプロが「ペインビジョン(PainVision)」という電流知覚閾値検査装置を発売した。これは、痛みに似た感覚を作り出すことができる電気刺激を患者に与えることによって、患者の痛みを数値化し、グラフとして提供する装置である。これによって、これまで医師に伝えることが難しかった痛みの度合いが数値化・視覚化されることにより、患者が感じる痛みの量を患者と医師が共有したり、それによって患者の心理的負担が軽くなることなどが期待される。しかし、この装置を置いている病院はまだ少なく、フェイススケール等に頼っているのが現状である。



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